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秘匿スマートコントラクト

2022-09-17

一般的にパブリックチェーンにデータを書くと誰でも見れてしまう。 スマートコントラクトベースで鍵を掛けても、ブロックチェーンのトランザクションデータを見るとバレる。

一方、情報を秘匿したいケースは色々ある。

  • 個人情報
  • 営業秘密
  • フロントランニング対策

というわけで、データを秘匿できるスマートコントラクト技術について調べる。 なお、調査は2022年6月時点のもの。


チェーン

HyperLedger Fabric

  • Channel 機能 チャンネル毎の個別の台帳。 参加してる組織以外からは見えない。

  • Private Data 機能 台帳外の DB に保存し、Peer 同士で直接交換する。 台帳には Private Data の Hash が格納される。

  • Private Chaincode トランザクションおよびデータを暗号化した状態で実行する。 まだ本体に取り込まれていない。

Trusted Execution Environment(TEE) を利用。intel cpu なら SGX. C/C++ で記述。

計算は秘密にできても、結果を保存するストレージは秘密にならんような。 それも暗号化した結果を保存するのかな。


ZeroChain

LaynerX の人が開発したやつ。 アカウント型ブロックチェーンへ適用とのことだが、残高計算だけでスマコンではないようだ。

2019年から更新されてないや。


Secret Network (SCRT)

2016年開始、2020年ローンチ。 Cosmos で動くセキュリティスマートコントラクト。 コントラクトは TEE 内で実行、暗号化したデータをストレージに格納。

アクセス制御はスマコン内でやる。 msg の署名で認証。

query の場合は msg が無いので、パラメータで署名なり受けとる。


Oasis Network (ROSE)

a16z. 1000tps のコンセンサス担当の Layer1 と、コントラクトを動かす 2ndレイヤー(ParaTime という)

暗号化したストレージに秘密鍵ベースで権限管理できるクラウドサービスぽいやつ。

秘匿スマコンも開発中だけどまだ。

2022-09 追記: 最近日本のブロックチェーンゲームでよく採用されてる。秘匿より速度目当てぽいが。


Aleo

a16z. ソフトバンク。

独自チェーンに独自言語。 端末上にデータを置き、ゼロ知識証明でチェーンに載せるらしい。

なんか計算するだけでデータストアとかは範囲外のような?


Phala Network (PHA)

Web3 Foundation.

TEE の p2p computing.

Kusama 上で稼動中。 Kusama は Polkadot の実験チェーンだが、無くなったりはしないようだ。


Automata Network (ATA)

Ethereum の Layer2. 2021年11月稼動。 Avalanche, Polygon の協力で開発。 "Privacy middleware for dApps on Web3"

マルチチェーンで使えるセキュリティミドルウェアを提供する感じ。 たぶんミドルウェアはコントラクトから呼べるのだろう。もしくは Web サービスから? 何にせよミドルウェアの充実が必要だが、まだまだ開発中。


Horizen

ZK-snarks.


Dero

準同型


追記

まとめ記事発見。 この記事には未反映。

https://medium.com/hashkey-group/privacy-networks-the-future-of-smart-contract-platforms-315d9fdf7cef